猫の らんこ  マウスで遊んであげてね^^

2019年05月31日

「ウィーン・モダン クリムト、シーレ、世紀末への道」

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都美術館で開催中のクリムト展より先に、こちらを見ようと国立新美術館の「ウィーン・モダン 〜クリムト〜シーレ世紀末への道」に出向く。一番のお目当ては「Liebe 愛」という作品だ。
思えば高校生の頃、友人間でにわかに世紀末美術ブーム?がまき起こり、ギュスターブ・モロー、ラファエル前派、そしてクリムトに夢中になった。特にクリムトには、青春をかき乱されたと言っても過言ではない。
私は古本屋で分厚いクリムト画集を買いこみ、夜ごとページをめくった。自室の壁には「Liebe 愛」のポスターを貼った。若い恋人同士が見つめ合うその絵の背後には、幼女、若い女、醜い老女、死神と骸骨が描かれている。美しくも怖ろしい絵だ。今となればこの絵が、男性画家の抱く女性幻想に過ぎないと思えるし、女がこんな風に醜く老いるものでもなかろうと笑って眺められるが、十代の私にはひたすら空恐ろしかった。あらためてこの作品の前に佇むと、若き日の甘酸っぱい感傷が込み上げてくる。

本展には同時代画家により描かれた「シューベルトの夜会」という作品も展示されているが「ピアノを弾くシューベルト」という幻のクリムト作品が思い出されてならない。
シューベルトはサロンでしばし演奏をしたという。世紀末の朧げな気配の中、クリムトの絵の中で、天才音楽家の姿が浮かび上がる。たっぷりした袖のドレスを纏う女性は、楽譜を手に持ち、伴奏に合わせて、今にも歌いだそうとしているーー。
だが、実物のこの絵を見ることは、残念ながら叶わない。ナチスドイツ政権下、クリムト作品は退廃芸術と烙印を押され、南オーストリアのインメルドルフ城に収納された。敗戦色濃くなった1945年、ヒットラーユーゲントにより火を放たれ、城ごと永遠に焼失したという。比較的質の良いカラー写真が残されたおかげで、この作品の存在を惜しむことができるが、もし燃えずに残っていたなら。ここで眺めることもできたかもしれないーー。

クリムトより年若のシーレとココシュカの作品も何点か展示されているが、その鮮烈な自我の投影に胸を突かれた。かつてクリムト作品ほどには、良さが分からなかった。特にシーレの「ひまわり」には、あらためて衝撃を受けた。若い頃には決してわからなかったものがあるーー。クリムトが描くほど、老いは悪いことばかりではない笑。

「ウィーン・モダン クリムト、シーレ、世紀末への道」国立新美術館にて8月5日まで。金・土は夜もopen

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posted by 橘かがり at 20:54| 美術館・展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月30日

「70s原宿原風景」



5月10日発売されたエッセイ&写真集「70s原宿原風景」(中村のん編著 DU BOOKS刊 )サイン会が、表参道Book Marcにて開かれました。
1970年代はじめから1999年まで原宿(神宮前)在住だった私も、パレフランスという題で寄稿しています。
ファッションとは無縁の、垢抜けない中高生だった私には、原宿在住は切なく、ほろ苦い思い出ですが、生き生きと暮らしていた母の姿が思い出されます。
この季節にはいつも芍薬の花を活けていた母に、花と共に本を届けてきました。エッセイだけでなく、貴重な写真も満載です。
http://www.nonnakamura-presents.com/relayessay/


posted by 橘かがり at 21:38| 自著について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする