猫の らんこ  マウスで遊んであげてね^^

2017年05月27日

茶の湯展@東京国立博物館



19日金曜夜。東博が21時までopenと聞いて、茶の湯展に行って来た。
ゆっくり、心静かに、展覧会を楽しみたかった。
馬蝗絆というほとんど伝説のような青磁の茶碗が、目の前で輝いている。油滴天目、黄天目、白天目、そして大変珍しい木葉天目…あまりの名品揃いに、不覚にも茶碗泣き…。
此の世と名付けられた井戸香炉、俊寛という名の黒楽、卯花墻という志野茶碗。
他館で見たものもあるが、これだけの名品が、一堂に会するのは何十年に一度のこと。生きているうちには、おそらくもう二度とないだろう。
各品に付けられた銘が、又これ以上ないというような見事な名前なのだ。私は残雪という名の黒楽の前で、再び涙ぐむ。



思えば若い頃には茶碗の良さなんて、ぜんぜんわからなかった。茶の湯の美なんて、フンと思っていた。いつの頃からだろう、心にしみいるようになったのは。
若い頃にはわからなかったものが多数ある。健康の大切さ、親の愛、人の縁、そして生命と平和の尊さ。
ふいに父のことを思い出した。幼い頃から私を美術館に連れて行ってくれた父は、茶人ではなかったが、志野茶碗を愛していた。父と一緒に、この展覧会に来たかったな。
数年前に突然旅立った大親友のH。おばあちゃんになったら、茶の湯三昧しようと約束したよね。あなたと一緒にこの展覧会に来たかったよ、I miss you!
歳を取ってはじめてわかる大切なものは、いったいどれくらいあるのだろう。
日本人に生まれて良かった…などと、安易なことをいう人がいる。しかし朝鮮、中国、ベトナムなど、大陸の名品へのレスペクトあってこそ、はじめて茶の湯の美が成立したのは、この展覧会を見るまでもなく明らかだ。茶そのものだって大陸からの伝来なのだから。
そもそも日本人って、いったい何だろう。
茶を愛した先人たちの息遣いを感じながら、後ろ髪引かれる思いで、東博をあとにした。向かう先は国会前ーー。天下の悪法、治安維持法と酷似する共謀罪を、見て見ぬふりなど、私にはできない。

posted by 橘かがり at 19:01 | TrackBack(0) | 美術館・展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする