猫の らんこ  マウスで遊んであげてね^^

2022年07月31日

 松川事件元被告 本田昇さんを偲んで


松川事件元被告の本田昇さんが今年の4月に亡くなっていたのを今ごろ知り、愕然としています。あんなにお世話になった本田昇さんのご逝去を知らずに過ごしていたなんて……。

本田さんは23歳から33歳までの長きにわたって、無実の罪で拘束され、二度死刑判決を受けています。拘束日数はのべ3565日。気の遠くなるような歳月です。
私の祖父は最後まで元被告の有罪を主張した裁判官でした。拙著・判事の家を書くにあたり、福島大学松川資料室の伊部先生に本田さんを紹介され、お話を聞きに伺いました。
「死とは無縁の若者に、ある日突然死刑判決が下ったのです。その時の気持ちをあなたはわかりますか」
本田さんははじめ、大変厳しい口調で仰いました。言葉を失い項垂れている私に向かって、すぐに表情を緩めて「会いに来てくれて嬉しいですよ。何でも聞いてください」とにこやかやに微笑んで下さいました。それ以来ずっと娘のように可愛がって頂き、いつ電話してもどんなことにも、率直に答えて下さいました。驚くべき記憶力の持ち主で、大変優しく聡明な方でした。

三鷹事件の目撃者である元朝日新聞記者の堀越作治さんも7月初めに旅立たれたのを知りました。米国の対日政策が180度転換した、いわゆる逆コースと呼ばれる時期に起きた国鉄三大事件ーー。三鷹事件も下山事件も松川事件も、すべて未解決のままです。
知る人ももはや少なくなった事件ですが、風化させてはならないと強く思います。
本田さん、本当にありがとうございました。安らかにお眠りください。

写真は2018年に広津和郎先生の50回目のご命日に墓前にお参りした時のものです。

posted by 橘かがり at 22:04 | TrackBack(0) | 松川事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月29日

ウクライナ国立バレエ団日本公演

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ウクライナ国立バレエ団(キエフ・バレエ団)ガラ公演を観に行った。理不尽な戦争の影響で、ダンサーたちは散り散りになり、それぞれ別の国での活動を余儀なくされている。日本公演のために再び同じ場所に結集したという、まさに奇跡の公演だ。
ウクライナ国花のひまわりを背景に踊るダンサーたちは、そんな苦労を微塵も感じさせず、見事に踊り切っていた。ため息出るほど美しく可憐…!数年前に観た時より、カンパニーの水準も上がったような気がする。過酷な環境に置かれたダンサーたちの修練の賜物かと。
ブラボーは禁止されているが、心の中で何度ブラボーを叫んだか知れない。ダンサーたちの迫真の踊りに3階席からふるえながら身を乗り出し思い切り拍手を送った。
バレエ鑑賞は私の人生のかけがえない宝だが、平和への祈りの込められた今公演のこと、決して忘れない。大雨やコロナ再感染を心配した家族に行くのを止められたが、観に行って本当に良かった!久しぶりにバレエ泣きしながら帰路につく。心からNO WA Rと祈りつつ。
posted by 橘かがり at 09:37 | TrackBack(0) | 舞台(文楽、バレエ等) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月29日

バレエ「不思議の国のアリス」

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a posted by (C)橘かがり

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久しぶりに新国立劇場に足を運び、バレエ「不思議の国のアリス」を堪能した。思えばコロナ流行前の一番の楽しみはバレエ鑑賞だった。来日公演のキャンセルが相次いだり、私が直前に不安で観に行くのをとりやめたりで、バレエ鑑賞は実に3年ぶり!
「不思議の国のアリス」の初演は、英国ロイヤルバレエ団。CGを駆使した斬新な演出が話題になった。バレエの伝統を踏まえつつ、その形式にとらわれず、様々なジャンルのアートを融合して、子どもから大人まで楽しめる見事なエンターテイメントに仕上っていた。
新国立劇場の「不思議の国のアリス」は、ロイヤルバレエ作品に準じながら、独自の演出もあり、2018年に次ぐ公演。アリス役は米沢唯さん。ダンサーたちの見事な演技、素晴らしい舞台演出に、いつまでも拍手が鳴り止まない。ちなみにブラボーはまだ禁止だ。私もつい興奮して、手が痺れるくらい拍手をした。

言うまでもなくバレエは身体芸術。ダンサーの活躍できる期間は非常に短い。コロナ禍の2年がどれほどの打撃だったかは想像に難くない。しかもまさかのロシアによるウクライナ侵攻……。
ロシアは沢山のバレエカンパニーを抱えるバレエ大国だ。2018年に来日して『アンナカレーニナ』『ロダン』などの素晴らしい舞台を見せてくれたエイフマン・バレエは、一体どうしているだろう。ググってみると、本国ロシアでは変わりなく公演が続いていて、チケットも普通に売られている。ダンサーたちはどんな気持ちでいるのだろうか……窺い知れない。
一方ウクライナのキエフ・バレエ団は今夏来日、日本各地で公演が予定されていて、チケットはほとんど売り切れらしい。ダンサーたちがパンデミックや戦争に屈することないよう、心からのエールを送りたい。何より1日も早い停戦、そして平和を切に祈る。artはarmyより強し……そう信じている。

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posted by 橘かがり at 15:53 | TrackBack(0) | 舞台(文楽、バレエ等) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする