2023年03月10日
新刊「女スパイ鄭蘋茹の死」(徳間文庫)のお知らせ
待ちわびていた新刊「女スパイ鄭蘋茹の死」(徳間文庫)の見本が届きました。
思えば2年前、原稿の大直し中に、不明熱と怪我で入院して、もう書き上げられないかも…と悲観しましたが、無事に形になり安堵しました。4年間拙稿を何度も読み返しては、叱咤激励してくれた編集者さんに心から感謝!編集者さんがいなければ到底書き上げられなかったとあらためてしみじみ感じます。
盧溝橋事件の起きた年に、国民党特務機関の工作員に身を投じた日中ハーフ女性の死の真相を追う現代史サスペンスです。過去の侵略戦争の話として書き始めたのに、ロシアによるウクライナ侵攻を目の当たりにして、決して過去の話ではないと思い知り、平和への祈りを込めて書きあげました。
本日3月10日発売です。ご一読頂けましたら大変嬉しいです。今年は短編賞受賞から20年、単行本デビューから15年という節目の年です。何とかもう一踏ん張り頑張りたいです。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
2023年02月25日
エゴン・シーレ展

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元祖こじらせ系…などとも言われている。クリムトに才能を高く評価された夭折の天才。世紀末を過ぎ芸術の爛熟期を迎えたウィーンを、駆け抜けるように生き急いだ人。ナイーブな感受性を持ち、豊かな線描と鮮烈な色彩で、自分は何者か問い続けた画家ーー。
高校生の時にクリムトに過剰に夢中になり、部屋にポスターを貼り、受験勉強の傍ら夜毎クリムト画集に見入った時期がある。クリムトの描く妖艶な女性に魅了されながら、醜く老いさらばえた老女の姿がそら恐ろしかった。今なら男性画家の幻想と、冷静に眺めることもできるが、当時の私にはクリムト描くところの「女の宿命」が呪文のようにまとわりついて離れなかった。
そんな時、クリムトも高く評価した若き天才画家エゴン・シーレの存在を知った。意図的に捻じ曲げられたポーズで絵の中からこちらを睨みつける姿に、はっとさせられた。クリムトの影響を受けながら独自の画風で内面を深く抉り出す作品に、共感を覚えた。
当時は「夭折」という言葉も「スペイン風邪」という病気も、まるで実感を伴わなかった。第一次世界大戦が終結に向かう頃、クリムトによるウィーン分離派展にシーレは50点以上の新作を展示して一躍注目を集めた。高級住宅街にアトリエを構えて、成功した画家として一歩を踏み出した。その矢先に、妻と子供をスペイン風邪で喪い、自らも感染して、あっけなく世を去った。
コロナ禍を経た我々の前に、シーレの作品があらためて強く迫ってくる。スペイン風邪で一説には1億人が亡くなったと言われる。シーレがあと30年、40年と生きながらえたのなら、ピカソやムンクらと並び称される存在になったに違いない。写真に収められた姿は、どこかジェームス・ディーンを思わせる。1980年公開のジェーン・バーキン主演映画「エゴンシーレ愛欲と陶酔の日々」も懐かしい。
東京都美術館にて4月9日まで(風景画のみ撮影可)
https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/26661
2023年01月27日
謹賀新年2023
皆さまお正月はいかがお過ごしでしたか。
新年のご挨拶が遅れて申し訳ありません。
1月3日に家族で日枝神社にお参りに行き、
家内安全、身体健全、大願成就を祈りました。
御神籤は大吉でした。
皆さまのご多幸を祈りあげます。
本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。