いつか大学で再び西洋史の勉強をしたいというのが私の夢です。
そんな折、「西洋中世学会」が設立されたと聞きました。
研究者でなくても、西洋中世に関心を持つ人なら入会できると聞き、申込をしました。
この学会は、日本における西洋中世研究(歴史、文学、哲学、美術、音楽など)を、
一層進展させるために、全国各地に散らばる研究者相互の交流の促進を
目標としたものだと聞きました。
専門・テーマの近い研究者同士が議論できる共通の土俵を作り、
さらに学会誌の特集や大会シンポジウムでは、それらの土俵同士を連携させて、
研究の発展を図るという趣旨だそうです。
6月27日〜28日に、東大駒場キャンパスにおいて、第一回大会が開催されました。
27日は総会と研究発表、28日は「21世紀の西洋中世学」というシンポジウムが
行なわれました。私は28日のシンポジウムを聞きに行きました。
まず樺山紘一先生(印刷博物館館長)の基調講演「中世はいかにして発明されたか」
から始まりました。会場は立ち見が出るほどの盛況で、熱気でむんむんしています。
中世認識の展開について、地中海科学史、スコラ哲学、ロマン主義、
アーサー王物語など6つの事例からの問題提起を、興味深く拝聴しました。
西洋中世は「発見」されたのではなく、くりかえし「発明」されたものであり、
実態として存在したというよりは、むしろ様々な角度から、
より多くの事象をとらえるための、手段としての概念であるというお話を聞いて
なるほどと感じました。学生時代に中世史の授業で、
アベラールやトマス・アクィナスについて学んだときのことを思い出し、
しばし胸がときめきました。
引き続き、甚野尚志先生(早稲田大学)「十二世紀ルネサンスの精神」
山内志朗先生(慶応大学)「中世哲学と情念論の系譜」
久木田直江先生(静岡大学)「ランカスター公ヘンリーの『聖なる治癒の書』−中世末の霊性と病の治療−」鼓みどり先生(富山大学)「21世紀の中世美術史研究」
那須輝彦先生(青山学院大学)「中世音楽研究〜その足跡と現状〜」が行なわれました。
昼休みには「中世の教会音楽〜グレゴリオ聖歌からポリフォニーへ」と題する
音楽演奏もあり、非常に贅沢で、質の高い、充実したシンポジウムでした。
私にはかなり難しい内容の講演でしたが、
とても豊かな時間を過ごすことができ、清々しい気持ちになりました。
会場では西洋中世に関する書籍も販売されていました。
シンポジウムを聞いて大いに刺激を受けた私は、何冊か購入して帰りました。
いくつになっても学ぶことの大切さを、しみじみ感じさせられた一日でした。
写真はシャルトル大聖堂です。
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